PROJECT STORY 03メトロプロジェクト
アラブ首長国連邦( ドバイ )

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世界最長の全自動無人運転鉄道アラブ首長国連邦初の都市交通システム「ドバイメトロ」

中東屈指の世界都市、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは、
近年、急速な経済発展と共に人口が爆発的に増加しており、
慢性的な交通渋滞が大きな社会問題になっている。
この問題解決の糸口となるべく、2009年に開業したのがドバイメトロ。
近未来都市ドバイを象徴する都市交通システムにも当社が大きく寄与している。

渋滞問題を解消する
アラブ首長国連邦初の都市交通システム

アラブ首長国連邦(UAE)の最大都市ドバイでは、タクシーやバス、レンタカーが移動手段の中心的役割を担ってきました。しかし、2000年代以降、人口や観光客が急増し、慢性的な交通渋滞が発生するようになり、経済成長の妨げになると問題視されるようになりました。この問題を打開する新しい交通システムとして計画されたのがドバイメトロです。2009年9月9日には、全長52.1kmのレッドラインが運行を開始。そのちょうど2年後にあたる2011年9月9日には、全長22.5kmのグリーンラインが運行を開始しています。
UAEの建国当初からドバイに駐在事務所を開設していた三菱商事は、ドバイメトロの計画が発表されるやいなや、入札に向けた体制を構築。計画から土木工事、建設、運転開始までを含むフル・ターンキー・ベースの受注に成功しました。当社はこのプロジェクトの契約履行業務を担当し、ドバイメトロの完成に多大な貢献を果たしてきました。

世界最先端の技術を集結、
着工からわずか4年で運行を開始

ドバイという都市の性質上、大量輸送を担うだけの交通システムでは顧客のニーズを満たすことができません。近未来を感じさせる、先進的な交通システムが求められていました。2009年に完成したレッドラインは、2018年1月現在においても「世界最長の無人運転鉄道」として記録を維持しています。また、車両にはファイブスターホテルに匹敵する内装が施される等、技術的にもデザイン的にも世界最高クラスの鉄道システムに仕上がっています。
入札から営業開始までの期間も異例といえる短さでした。同プロジェクトの入札が公示されたのは2004年8月、その約1年後の2005年8月に第1期工事を着工。そして、ゾロ目で縁起が良いとされる2009年9月9日の運行開始が予定されていました。わずか4年という短い工期の中、世界随一の鉄道システムをつくり上げるのは並大抵のことではなく、関係各社の協力、技術力があったからこそ成し遂げられたプロジェクトであったと言えます。

あらゆることに妥協しない、
理想を具現化した鉄道システム

当プロジェクトにおける三菱商事ならびに当社の役割は、プロジェクト全体の進行を管理し、状況に応じて調整していくこと。関係者に顔を覚えて貰うことから始めて、親密にコミュニケーションを交わし、数々の問題に誠実に取組んでいくことで、互いの信頼関係を築き上げてきました。工期が短く、計画変更が何度も行われる中、顧客や関係各社の意見が衝突し、その調整に苦労したことも度々ありました。その都度折衷案を提示し、関係者の同意を得て、案件を一歩ずつ前に進めていくのが当社の務めでした。
ドバイは急速に経済発展を遂げた都市だけあって、顧客の意志決定が早かったことも功を奏したと思います。ドバイの顧客は、ドバイメトロに対して熱い想いがあり、何事においても妥協することはありません。駅舎や車両は、外観・内装共に完成予想CGをそのまま再現した、クオリティの高い仕上がりになっています。もちろん、日本の技術者の強い信念があったからこそ実現した、努力の賜物とも言えます。

ドバイメトロの実績を武器に
新たなニーズの発掘、受注を目指す

ドバイメトロの利用者は年々増加の一途をたどっており、現在では市民や観光客の足として欠かせない存在になっています。開業から8年を経た2017年には、延べ利用者数が10億人を突破。ドバイメトロの完成により駅周辺の商業施設も開発され、渋滞の改善だけでなく、新しい雇用の創出といった経済効果も生み出しています。
当時、ドバイメトロに携わっていた当社の社員は、「新しいものをつくり上げていくことには大きな困難を伴いますが、人々の生活に役立つ交通システムを完工することができ、やりがいと誇りを感じています。この経験を活かして、様々な地域のニーズに応えていけるようにビジネスの幅を広げ、一つでも多くの実績を積み上げていきたい」と語っています。この言葉はすでに現実のものとなっており、ドバイメトロの実績を武器に、2019年に開業が予定されているカタールの「ドーハメトロ」にも三菱商事ならびに当社が携わっています。